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汚部屋で子育て、子どもへの影響は?現場2,000件のプロが最初に見る場所

お役立ち情報 2026.08.19

片付けても、また散らかる。部屋を見るたびイライラして、子どもに強くあたってしまう。
そして朝、目を覚まして散らかった部屋を見ると、「今日もこれか……」と現実を突きつけられたような気持ちになる。

「この部屋で子どもを育てていて、大丈夫なのかな」

そう思いながら、片付けたいのに片付かない。子どもにもイライラしてしまう。
つらいですよね。でも、散らかった部屋を全部きれいにすることから始めなくていいんです。

まず、今の暮らしの中で何を変えれば、あなたと子どもが少し楽になるのか。そこから一緒に見ていきましょう。

目次

部屋が散らかっているだけで、子どもに悪影響があるとは言い切れません

「こんな部屋で育ったら、子どもの性格や将来に影響するのでは」
そう思うと、散らかった床を見ること自体が怖くなりますよね。
でも、ここは「散らかっていること」と「子どもの安全や衛生に問題があること」を分けて考えた方がいいです。

散らかった環境に、悪い面しかないとは限りません

少し意外かもしれません。

成人を対象にした2013年の研究では、整理された部屋と散らかった部屋で課題を行ったところ、散らかった環境にいた人の方が、創造性を測る課題で独創的なアイデアを出したという結果が報告されています。

もちろん、これは子どもの発達を調べた研究ではありませんし、「部屋は散らかっている方がいい」という意味でもありません。
ただ、少なくとも「散らかった部屋=すべて悪い」と、見た目だけで決める話ではないことはわかります。

研究内容は、PubMed掲載ページで確認できます。

ですが、生ごみが放置されている、害虫がいる、危険な物が子どもの手の届くところにある、といった状態は別の問題です。
僕が伝えたいのは、部屋が整っていないというだけで、そこでしている子育てまで悪いものにしなくていいということです。

僕が見るのは「きれいか」より「暮らせるか」です

片付けの現場でも、僕は部屋を見て「きれい」「汚い」だけでは判断しません。
子どもが触ると危ない物はないか。安心して眠れる場所はあるか。食事をする場所が使えるか。普段歩くところを安全に通れるか。見るのは、そういうところです。

床いっぱいにおもちゃが広がっていても、今すぐ危険な物があるとは限りません。
反対に、見た目はそれほど散らかっていなくても、薬や電池、刃物が手の届く場所にあれば、そちらを先に考えたい。

片付いているかではなく、今、安全に暮らせるか。
まずは、そこから見てくださいね。

最初に片付けたいのは、子どもの手が届くところ

家全体を見ると、あれもこれも気になります。でも、今日全部やる必要はありません。
子どもがいる家なら、まず危ない物がないかを見ていきます。

薬・洗剤・ボタン電池などは先に離します

床やローテーブル、低い棚など、子どもの目線に近い場所を見てみてください。

医薬品や洗剤、化粧品、ボタン電池、磁石、小さな部品、ライター、刃物、割れた物などがあれば、片付けより先に子どもの手が届かない場所へ移します。

こども家庭庁も、ボタン電池や磁石、医薬品などについて、子どもの誤飲事故を防ぐため、見えず手の届かない場所での保管を呼びかけています。

詳しくは、こども家庭庁「こどもの事故防止ハンドブック」で確認できます。

この時、捨て方まで決めなくて構いません。
「これはどう処分するんだろう」と調べ始めると、そこで手が止まることがあります。まずは、子どもが触れない場所へ移す。それだけでいいです。

「床が見えているか」ではなく、使える場所を増やす

危ない物を離したら、次は普段使う場所を見ます。
布団やベッドで安心して眠れるか。食事をする場所が使えるか。玄関から寝室やトイレまで、何かを踏まずに歩けるか。

全部できていなくても構いません。
食卓を見るたびイライラするなら、まず食卓。夜中に物を踏みそうなら、まず通り道。寝る場所に物があるなら、そこから。

僕は、床が何割見えているかより、家族が今日から使える場所が一つ増えたかで考える方が現実的だと思っています。

生ごみや害虫がある時は、収納を後にします

おもちゃが散らかっていることと、食べ残しや生ごみが長く残っていることは、同じ「部屋が汚い」でも少し違います。

液体が漏れている。食品が傷んでいる。虫を見かける。強いにおいがする。こうした状態なら、収納をきれいにするより、そちらを先に考えます。
ただし、子どもがすぐそばにいる状態で大量の物を一気に動かすのはおすすめしません。

物を動かしたことで、隠れていた割れ物や小さな部品が出てくることもあるからです。
片付けている最中も、子どもが安全に過ごせるか。そこまで考えて進めます。

「片付けられない」のではなく、家まで手が回らないことがあります

今の部屋だけを見て、「私は片付けができない」と決めなくてもいいと僕は思っています。
実際に相談を受けていると、片付けられないのではなく、仕事や子育てのあとに家まで手が回らなくなっている方が多いからです。

「片付けまでできている人の方がすごい」と僕は思っています

うちにも、子どもを育てながら働いているシングルマザーの社員がいます。
仕事をして帰ってきて、食事を作って、お風呂に入れて、寝かしつける。そこまでやれば、一日の時間も体力もかなり使います。

ひとり親世帯の方から相談を受ける中でも、僕が感じるのは「片付けられない人」というより、そこまで手が回らなくなっている人がいるということです。

僕はむしろ、仕事をして、子育てもして、そのうえ部屋までいつも片付けられている人の方がすごいと思っています。
暮らしづらくなっているところがあるなら、そこから一つずつ整えていく。それくらいの考え方でいいのではないでしょうか。

部屋の状態を、親としての点数にしないでください

相談を受けていると、部屋が片付いていないことを、そのまま自分自身の評価につなげてしまっている方もいます。

「こんな家にしてしまった」「母親なのに片付けられない」「子どもに申し訳ない」
そう考え始めると、片付けの問題より、自分を責めることの方が大きくなってしまいます。

でも、部屋が散らかっていることと、子どもを大切にしていないことは別です。
今考えたいのは、親として何点なのかではありません。

危ない物はないか。安心して眠れるか。何が一番、毎日の負担になっているのか。
そこまで小さく分けると、やることも見つけやすくなります。

部屋を見るたびイライラするなら、「何にイライラしているか」を見ます

「片付けても、どうせまた散らかる」そう思うと、片付ける前から嫌になることもありますよね。
だからこそ、家全部を何とかしようとせず、今いちばんイライラにつながっていることを探してみます。

「片付けなくていい」では、楽にならないこともあります

「そんなに気にしなくていいよ」と言われても、毎日の不便やイライラまでなくなるわけではありませんよね。

毎朝プリントを探す。食事のたびに、テーブルの物をどかす。床のおもちゃを踏みそうになる。洗濯物を見るたび、「またやらなきゃ」と思う。
同じ「部屋が汚い」という悩みでも、何が一番負担になっているかは人によって違います。

だから、家全体を一度に片付けようとするより、「これがなくなったら、今の暮らしが少し楽になるのは何だろう」と考えてみてください。
イライラの原因になっている一か所を先に変える。それだけでも、毎日の負担は少し変わってきます。

部屋が片付いてもイライラが続く時は、ほかの負担も見てみます

子育て、仕事、睡眠不足、家族との役割分担。部屋以外にも、毎日の負担はいろいろあります。

もちろん、散らかった部屋を見るたびにイライラしているなら、片付くことで気持ちが楽になる部分はあると思います。
探し物が減ったり、食卓が使いやすくなったりするだけでも、毎日の負担は変わります。

ただ、片付けを進めても気持ちに余裕が戻らない時は、部屋以外のところにも負担が重なっているのかもしれません。
そんな時は、片付けだけで何とかしようとせず、家族や身近な人に話したり、必要に応じて地域の相談先を頼ったりする方法もあります。

部屋のことも、子育てのことも、仕事のことも、全部を一つの問題にせず、今いちばん負担になっていることから一つずつ考えていけばいいと思います。

自分で片付けるとき、子どもがいるからこそ気をつけたいことがあります

「できるところまでは、自分でやってみたい」

そう思う方もいるでしょう。ただ、子どもがいる家では、片付けている最中の安全も考えておきたいところです。

収納の中身を一気に出さない

片付けというと、「一度全部出してから仕分ける」という方法を思い浮かべる人もいます。
でも、すでに物が多い家で全部出してしまうと、それまで使えていた床や通路まで塞ぐことがあります。

さらに、普段隠れていた電池や小さな部品、割れ物が出てくることもあります。

小さな子どもがいるなら、その日のうちに戻せる範囲だけ。
家族に見てもらえる時間や、子どもが外出している時間に進められるなら、その方が安心です。

子どもには、できることだけを頼みます

子どもの年齢やできることに合わせて、おもちゃを箱へ戻したり、自分の服をまとめたりする程度なら、一緒に進める方法もあります。
でも、片付かない責任まで子どもに持たせる必要はありません。

薬や電池、刃物、スプレー缶、割れ物、重い物などは大人が扱います。

「全部片付けなさい」ではなく、「このおもちゃを箱へ戻そう」くらいの方が、お互いに始めやすいと思います。

ゴミは、袋に入れた後まで考えます

自分で片付ける時に意外と止まりやすいのが、ゴミを袋に入れた後です。
せっかくまとめても、玄関や廊下が塞がっていて外へ運べなければ、今度はゴミ袋が部屋に積み上がります。

だから、袋を作るだけでなく、どうやって外へ出すかまで考えておきます。

自治体の収集日を確認する。玄関まで通れるようにする。無理なく運べる量にする。

具体的な片付けの順番については、以下の記事で詳しく紹介しています。

家全部を片付けようとせず、今できるところから始めます

家全体を見ていると、それだけで疲れてしまいます。
今日は「家をきれいにする日」ではなく、「一か所、暮らしやすくする日」くらいに考えてみてください。

迷わない物から減らします

最初は、危ない物を子どもから離す。
そのあとに、空の容器や食べ終わった包装など、明らかにいらない物から減らします。

「まだ使うかな」「思い出があるな」「高かったんだよな」
そういった物は、今決めなくて構いません。

片付けの現場でも、手が止まりやすいのは、捨てるか残すかを考え始めた時です。
最初から難しい物に挑まなくていいんですよ。

食卓でも寝床でも、一番困っているところから

明らかなゴミを減らしたら、今いちばん困っている場所を一つ選びます。

食卓を見るたびイライラするなら、食事ができる場所を作る。
寝る場所に物があるなら、安心して横になれるところまで戻す。
移動するたび物を踏むなら、いつも歩くところを空ける。

全部やらなくて構いません。

「今日はここが使えるようになった」
それが一つあれば、十分次につながります。

片付いた後は、「二度と散らからない部屋」を目指さなくていい

子どもが成長すれば、服も学用品もおもちゃも変わります。
一度きれいにした部屋をずっと同じ状態に保つより、散らかっても戻しやすい家にしておく方が、毎日の負担は少なくなります。

きれいに見える収納より、戻しやすさを優先します

ふたを開けて、細かく種類を分けて、棚の奥へしまう。
見た目はきれいでも、疲れている日にそこまでやるのは面倒ですよね。

よく使うおもちゃなら、子どもが戻しやすい箱にする。毎日使うバッグなら、使う場所の近くに置く。
最初から収納を完璧にしなくても構いません。家族が無理なく戻せるかを優先します。

子どもが成長したら、また変えればいいんです

サイズアウトした服。使わなくなった学用品。遊ばなくなったおもちゃ。
子どもが成長すれば、必要な物も置き場所も変わります。

一度決めた収納を守り続ける必要はありません。今の家族に合わなくなったら、また変える。
目指したいのは、二度と散らからない家ではなく、散らかっても戻しやすい家です。

子育てを優先して、片付けまで手が回らない時は人の手を借りてもいい

仕事や子育てで一日が終わり、片付けまで手が回らない。
そんな時は、自分でできることと、人へ任せることを分ける方法もあります。

僕は片付けを代わりに引き受けることで、その人が自分や子どものために使える時間を少しでも増やせるなら、それも僕らの仕事だと思っています。

家全部ではなく、困っているところだけでも構いません

片付け業者へ相談するからといって、「家を全部片付けてください」と頼む必要はありません。
「リビングだけ何とかしたい」「仕分けを一緒にしてほしい」「重い物や大量のゴミだけお願いしたい」
そういう相談でも大丈夫です。自分でできるところは自分でやり、難しい部分だけ頼む方法もあります。

一人で仕分けるのがつらい時は、一緒に進める方法があります

子どもの物は、勝手に捨てられたくない。
何を残すのかは、自分で決めたい。でも、一人だとまた途中で止まってしまう。

そんな時には、誰かと一緒に進める方法もあります。

オカタシの一緒に片付けサービス「オカタシwith」では、女性スタッフと一緒に、残す物と手放す物を確認しながら仕分けを進めています。

まだ家全部を頼むと決めなくても、今の部屋を見ながら、どこなら自分で戻せるのか。どこだけ人の手を借りれば、暮らしが少し楽になるのか。
そこから考えてもらえればと思っています。

片付けたいのに片付かない毎日から、少しずつでも景色が変わっていく。
そのきっかけになればと思っています。

この記事の執筆者

中島 健太 株式会社ウルタロウ 代表取締役

2017年の創業から9年、片付け・不用品回収の現場に立ち続けてきました。これまで関わった現場は2,000件以上。近年はゴミ屋敷・汚部屋の片付けに力を入れていて、難易度の高い現場には今も代表の中島が自ら足を運んでいます。ワンルームの汚部屋から、足の踏み場もない重度のゴミ屋敷、害虫や強い臭いを伴う現場まで、関東全域でさまざまな状態の部屋を見てきました。何百件と現場を見てきたからこそわかる「ネットの情報と、実際の片付けのギャップ」を、このコラムでは包み隠さずお伝えしています。片付けられずに一人で抱え込んでいる人が一歩を踏み出せること。それがオカタシを続けている理由です。

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