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片付けられないのは精神状態のせい?自分を責める前に知ってほしいこと
部屋を見た瞬間に、心が重くなることはありませんか。
片付けようと思って、ゴミ袋を出したことはある。
少しだけ手をつけた日もある。
でも、床に積もった物や、出しっぱなしの服、洗っていない食器を見た瞬間に、体が止まってしまう。
「今日もできなかった」
「普通の人はできるのに」
「このままで大丈夫なのかな」
そんなふうに、部屋のことがずっと頭のどこかに残っている方もいると思います。
でも、片付けられない状態は、気持ちの持ち方だけでどうにかなる話ではないことがあります。
精神状態、疲れ、生活リズム、仕事や人間関係の負担。
いろいろなものが重なって、部屋に手をつけられなくなることがあるんですよね。
ここでは、片付けられない時の心の状態、自力でできるかの判断、病気・うつ・発達障害との向き合い方など、片付け業者の僕が現場でよく見ている流れに沿ってお話ししていきます。
目次
片付けられない精神状態は、気持ちだけでは戻らない

「やればいいだけ」
そう言われると、余計につらくなることがあります。
本人も、やった方がいいことはわかっています。
ゴミを出した方がいい。
洗濯した方がいい。
床に物を置かない方がいい。
そんなことは、誰よりも本人がわかっているんですよね。
それでも動けない時は、気持ちの問題だけではなく、心と体の余裕がないことがあります。
「やる気がない」ではなく、心と体の余裕が切れている状態
片付けには、思っている以上に判断が必要です。
これは捨てるのか、残すのか、分別が必要なのか、売れるのか。
一つひとつは小さな判断でも、部屋全体になるとかなりの量になります。
仕事で疲れて帰ってきた夜。
人間関係で気を使い続けた日。
眠れない日が続いている時。
そういう状態で、何十回、何百回も判断するのは、かなりきついです。
片付けようと考えただけで疲れる。
部屋を見ると胸が重くなる。
やることを考えるほど、体が動かなくなる。
焦っているのに、なぜか手が止まる。
片付けられない精神状態にある時は、まず「自分はだらしない」と決めつけないでください。
心と体が、もうこれ以上がんばれないと知らせていることもあります。
部屋を見るだけで苦しくなる時は、心の負担が大きいサイン
部屋に入った瞬間、空気が重く感じる。
暑い日に、むわっとした空気がこもっている。
床に足を置く場所がなく、歩くたびに物を踏みそうになる。
袋や段ボールが積み上がっていて、どこから始めればいいかわからない。
この状態を見るだけで、胸がぎゅっとなる方もいます。
片付けは、手を動かす作業に見えます。
でも実際には、心のエネルギーもかなり使います。
部屋を見る。
現実を受け止める。
捨てる物を選ぶ。
外に出す。
また部屋に戻る。
この繰り返しです。
気持ちが弱っている時にそれを一人でやるのは、簡単ではありません。
厚生労働省の「こころの耳」では、ストレス反応には心理面・身体面・行動面の反応があると紹介されています。
活気の低下、不安、気分の落ち込み、睡眠の不調などが続く時は、部屋だけでなく心身の疲れにも目を向けておきたいところです。
現場で多い「片付けたい気持ちはあるのに動けない」という相談
うちに相談される方の中にも、最初から「片付ける気がありません」と言う方は多くありません。
むしろ、
「何度も自分でやろうとしたんです」
「ゴミ袋までは買ったんです」
「少しは片付けたんですけど、途中で止まってしまって」
と話される方が多いです。
現場を見ていると、片付けられない人が怠けているようには見えません。
どうにかしたい。
でも、どうにもできなくなっている。
その間で、ずっと苦しくなっている方が多いんです。
僕が現場の人間としてまず伝えたいのは、「大丈夫ですよ。同じように悩んでる方、多いんですよ」ということです。そこまで一人で抱えなくていいんです。
片付けられないのは病気やうつ、発達障害のせいなのか不安な時

片付けられない状態が続くと、ふと不安になることがありますよね。
「これって、病気なのかな」
「うつっぽいから動けないのかな」
「発達障害が関係しているのかな」
そんなふうに調べたことがある方もいるかもしれません。
部屋が片付かない日が続くと、ただ散らかっているだけではなく、自分の内側まで責めたくなります。
ただ、現場で見ていると、部屋の状態だけで「病気だから」「発達障害だから」と決めつけるのは少し早いと感じます。
仕事の忙しさ、体調の変化、家族のこと、生活リズムの乱れ、ゴミ出しのタイミング。
そういうものがいくつも重なって、ある日から手をつけられなくなる方も多いです。
もちろん、心身の不調や特性によって、片付けが苦手になることはあります。
だからこそ、医学的な診断は専門家に相談しながら、部屋のことは「これからどう進めるか」で考えることが大事だと思っています。
ここでは、片付けの現場で見てきた傾向として、部屋に手をつけられなくなる時に起こりやすいことをお話しします。
部屋の状態だけで「病気かも」と決めないで
部屋が片付かないと、
「自分はどこかおかしいのかもしれない」
と思ってしまうことがあります。
でも、片付けられない理由は一つではありません。
仕事が忙しすぎた。
家族のことで疲れていた。
引っ越しや退職など、生活の変化があった。
体調を崩して、しばらく動けなかった。
ゴミ出しのタイミングを逃し続けてしまった。
こうしたことが重なるだけでも、部屋はあっという間に荒れていきます。
現場では、「気づいたらここまでになっていた」と話される方も少なくありません。
だから、片付けられないからといって、すぐに「病気だ」と決めなくて大丈夫です。
ただし、眠れない日が続いている、食欲が落ちている、気分の落ち込みが長引いている、人と会うのがつらいなど、片付けとは別に生活に影響が出ている場合は、医療機関や相談窓口を頼ることも考えてください。
部屋の問題と、心や体の問題。
この2つは、分けて考えてくださいね。
うつ状態に近い時は、片付ける力が残りにくい
うつ状態に近い時は、気力や集中力が落ちることがあります。
以前ならできていたことが、急に重く感じる。
洗濯物をたたむだけで疲れる。
ゴミ袋を結ぶだけなのに、なかなか動けない。
「やらなきゃ」と思うほど、体が固まる。
こういう状態になると、片付けはかなり難しくなります。
片付けは、単純作業に見えて、実は判断の連続です。
物を見て、考えて、選んで、動かして、外に出す。
これを何度も繰り返します。
気力や集中力が落ちている時に、部屋全体を一気に片付けようとすると、途中で苦しくなって当然です。
この場合は、片付けを根性で乗り切ろうとしない方がいいです。
まずは、10分だけ。
ゴミ袋1つだけ。
玄関までの通り道だけ。
それでも難しい時は、無理に一人で進めなくて大丈夫です。
ただし、この記事だけで「うつかどうか」を判断する必要はありません。
気分の落ち込みや眠れない状態が続く時は、医療機関などに頼って「安心」できる環境から整えてもいいのかなと思います。
ADHDの特性がある人は、整理や段取りでつまずきやすいことがある
発達障害の特性がある方の中には、片付けでつまずきやすい方もいます。
とくにADHDの特性がある場合、整理整頓や段取りで困りやすいことがあります。
たとえば、
何から始めればいいかわからない。
物の分類が苦手。
途中で別の物が気になってしまう。
捨てる判断に時間がかかる。
使う物と使わない物が混ざりやすい。
収納場所を決めても、続けるのが難しい。
こうしたことが起こる場合があります。
もちろん、片付けられないからといって、発達障害だと決めることはできません。
そこは慎重に見た方がいいです。
ただ、もし自分にそういう傾向があると感じているなら、一般的な片付け方法が合わないこともあります。
「全部出して、全部分けて、全部収納する」
という方法は、人によっては負担が大きすぎます。
その場合は、もっと小さく区切った方が進みます。
今日は洗面所の床だけ。
今日は明らかなゴミだけ。
今日は迷う物を箱に入れるだけ。
片付けのやり方を、自分に合わせて変えていいんです。
心のことと部屋のことを、分けて相談していい
部屋が片付かないことと、心身の不調はつながることがあります。
部屋が荒れると、気持ちが沈む。
気持ちが沈むと、さらに片付けられない。
片付けられない状態を見るたびに、気持ちが重くなる。
この流れに入ると、一人で抜け出すのが難しくなります。
もし、気分の落ち込みや不眠、食欲の変化、人と会うのがつらい状態が長く続いているなら、医療機関や公的な相談窓口に相談することも考えてください。
同時に、部屋の片付けは片付けの問題として、別で人の手を借りていいです。
病気かどうかを先に決めなくても、
「今の部屋を一人で片付けるのは難しい」
という相談はできます。
いろんな現場を見てきたなかで、ここを一緒に考えてしまって苦しんでいる人が多いです。
心のことは、専門家に相談する。
部屋のことは、片付けのプロに相談する。
どちらか一つに絞らなくて大丈夫です。
今の自分に必要な助けを、分けて使ってくださいね。
精神状態だけを見ずに、片付けられない理由を分けて見る

部屋が片付かない時、理由を一つに決めつけると苦しくなります。
「自分は普通のことができない」
「自分は意志が弱い」
「自分は生活力がない」
そう考えるほど、体は動きにくくなります。
少しだけ、理由を分けて見てみましょう。
責めるためではなく、どこで止まっているのかを知るためです。
物の多さより、判断する回数の多さで止まるケース
部屋が散らかっている時、多くの人は「物が多すぎる」と思います。
もちろん物量も関係します。
でも、現場で見ていると、物の量よりも「判断の多さ」で止まっている方がいます。
たとえば、床に落ちている紙袋ひとつでも、
中に何か入っているか。
レシートを捨てていいか。
個人情報はないか。
使える袋か。
思い出の物が混ざっていないか。
これだけ考えることがあります。
完璧に分別しようとする人ほど、途中で止まりやすいです。
これは少し意外かもしれません。
ちゃんとやろうとするからこそ、進まなくなる。
そういうことがあるんです。
生活リズムの乱れで逃しやすいゴミ出しのタイミング
ゴミは、袋に入れたら終わりではありません。
決められた曜日、時間、場所に出す必要があります。
朝起きるのがつらい。
夜勤で生活リズムがずれている。
在宅仕事で外に出るきっかけがない。
体調が悪く、朝の数分が動けない。
こうなると、ゴミ袋は部屋の中に残ります。
最初は1袋だったものが、3袋、5袋、10袋と増えていく。
袋に詰めたのに、部屋が片付いた感じがしない。
ここで心が折れてしまう方は多いです。
人に見られたくない気持ちが強いほど遅れる相談
部屋が散らかるほど、人に見られるのが怖くなります。
家族に知られたくない。
友人を呼べない。
管理会社に入られたら困る。
近所の人に見られたくない。
女性一人暮らしだから、男性スタッフだけだと不安。
こうした気持ちは、とても自然です。
ただ、見られたくない気持ちが強いほど、相談が遅れやすくなります。
相談が遅れるほど、さらに一人では難しくなる。
この流れに入っている時は、「まだ大丈夫」と思いすぎない方がいいです。
片付け業者に相談した方がいい目安

「このくらいで業者を呼んでいいのかな」
「もっとひどい人が頼むものじゃないのかな」
そう思う方もいます。
でも、業者に相談していいかどうかは、部屋の見た目だけでは決まりません。
あなたが一人で進められる状態かどうかで見てください。
ゴミを外に出せない状態が続いている時
袋に詰めたゴミが部屋に残っている。
ゴミの日を何度も逃している。
重くて持てない。
近所の目が気になって外に出せない。
この状態が続いているなら、相談する目安にして大丈夫です。
片付けは、袋に入れる作業より、外に出し切る作業の方が大変なことがあります。
10袋、20袋と部屋に積み上がると、見た目にも気持ちにも圧が出ます。
「片付けているはずなのに、全然進まない」と感じてしまうんです。
匂い・害虫・水回りの汚れが気になり始めた時
ドアを開けた瞬間の重たい匂い。
暑い日にこもる空気。
洗っていない食器。
水回りに近づきたくない感じ。
このあたりが出てくると、精神的にもかなり負担になります。
匂いや害虫が気になり始めた時は、近隣トラブルや体調面の心配も出てきます。
脅したいわけではありません。でも、ここから先は一人で抱え続けない方がいいです。
自分で少し進めるにしても、マスクや手袋を使い、無理に長時間やらないようにすることが大切ですよ。
退去日や来客予定が迫っていて時間が足りない時
退去日が近い。
管理会社の点検がある。
家族が来る。
こういう期限がある時は、精神的な焦りも強くなります。
休日だけで片付けようとしても、思ったより進まないことがあります。
ワンルームでも、物量や搬出条件によっては半日以上かかることがあります。
時間が足りない時ほど、早めに相談した方が選べる方法が増えます。
自力で片付けられるか迷う方は、こちらも参考になります。
どうしても動けない時は、最初から全部やらない

ここまで読んで、
「少しだけ自分でやってみようかな」
と思った方もいるかもしれません。
その場合、最初から全部を片付けようとしないでください。
部屋全体を見てしまうと、心が止まりやすくなります。
見る場所を小さくしてください。
まずは10分だけ、通り道を作るところから
最初にやることは、「部屋をきれいにする」ではありません。
玄関までの通り道を作る。
ドアが開くようにする。
足を置ける場所を作る。
ゴミ袋1つ分だけまとめる。
これで大丈夫です。
10分だけで終わってもいいです。
段ボール1箱分だけでもかまいません。
片付けられない精神状態の時は、「できた感覚」を取り戻す方が先です。
最初から完璧な分別を目指さない
分別は、もちろん必要です。
自治体のルールもあります。
ただ、最初の10分で完璧にやろうとすると、手が止まります。
まずは大きく分けてください。
明らかなゴミ。
洗濯する服。
書類。
迷う物。
これくらいで十分です。
細かい分別は、あとからでもできます。
最初から全部調べて、全部ちゃんとやろうとしなくていいです。
後回しにしてもいい片付けの判断
片付けが止まる原因の一つが、「捨てるかどうかをその場で決めること」です。
思い出の物。
高かった物。
誰かにもらった物。
まだ使える気がする物。
こういう物が出てきたら、手が止まって当然です。
その場で決めなくていい物は、保留箱に入れてください。
段ボール1箱分だけ「あとで見る箱」を作る。
捨てるかどうかの判断は後回しにする。それだけで、作業は止まりにくくなります。
片付けられない精神状態のまま、一人で抱え込まない

部屋が片付かない時につらいのは、散らかった部屋だけではありません。
「誰にも言えない」
「見られたくない」
「またできなかった」
と、一人で抱え続ける気持ちの重さです。
今の精神状態で一人では難しいなら、人の手を借りても大丈夫です。
足元が見えない場所で重い袋を運んだり、無理に長時間片付けたりすると、体までつらくなることがあります。
僕たちが現場で見ているのは、どうすれば安全に片付けられるかを一緒に考えることです。
オカタシでは、女性スタッフ対応、立ち会いなし、近所バレ対策、LINEでの概算見積もりなど、不安に合わせて相談してもらえるようにしています。
相談したからといって、必ず依頼しなくて大丈夫です。
「この状態でも頼めますか?」
その一言だけでもかまいません。
まずは、今の部屋をどう前に進めるか、そこから一緒に考えていきましょう。