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片付けができない原因は発達障害?ゴミ屋敷化を防ぐ方法を詳しく解説

お役立ち情報 2025.09.09

家族や身近な人の部屋がゴミ屋敷になってしまい、何度片付けてもすぐに元に戻ってしまう・・・
そんな状況に悩んでいませんか?

実は、片付けが終わらない背景には発達障害が関係している可能性があるんです。

本記事では、片付けが苦手な人と発達障害の関係性、ゴミ屋敷化を防ぐ効果的な解決策について詳しく解説します。
身近な方のゴミ屋敷にお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

発達障害とは何か

発達障害とは、生まれつき脳の発達に特性があり、日常生活や社会生活において困難が伴う状態のことを指します。

主な発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、学習障害(LD)などがあります。
中でも、片付けが苦手な人が多いのはADHDとASDです。

これらの特性により、整理整頓に必要な能力(注意力、計画性、優先順位の判断など)に困難が生じやすいと言われています。
「だらしないから片付けられない」のではなく、脳の特性によって「片付けにくさ」があると理解することが、解決への第一歩ですね。

なぜ発達障害だとゴミ屋敷になりやすいのか

発達障害だとゴミ屋敷になりやすい理由について、ADHD、ASDに分けて考察しました。

ADHD(注意欠如・多動性障害)

ADHDの方は、一つのことに集中し続けることが難しいという特徴があります。
片付けを始めても、途中で他のことに気を取られてしまい、結果的に作業が中断されがちになります。

片付けに限らず「あれもこれも」と手を付けて、最後まで完了できないシーンが多く見られるのではないでしょうか。

また衝動買いが多く、必要のない物まで購入してしまうことが頻繁にあります。
さらに「後で使うかもしれない」という思考パターンから、物を捨てることに抵抗を感じる方も少なくありません。

時間感覚が曖昧なので、スケジュール通りにこなすのも大の苦手。
「15分だけ片付けよう」と思っても、実際の時間の経過が分からず、予定していた時間を大幅に超えてしまうことがあります。

長時間の作業で片付けに対する負担感を感じやすく、継続することが難しくなってしまうのです。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASDの方は配置や順序にこだわりがあるため、人の提案を受け入れにくい傾向があります。

また他の人から見ると「散らかっている」状態でも、本人にとっては「整理されている」と感じることがあります。
本人が片付いている状態だと認識している場合、さらに周囲からの片付け提案を受け入れにくくなってしまうのです。

また、慣れ親しんだ環境を変えることに強い不安を感じるため、片付けによって部屋の様子が変わるのを嫌がる方もいます。
物の位置が変わることで、「日常生活に支障をきたす」と不安を感じる場合もあるでしょう。

重要な物とそうでない物を判別するのが苦手な方もいます。
全ての物を同じく大切に感じてしまうため、取捨選択ができなくなってしまいます。

よくある失敗パターンとリバウンドの原因

発達障害の方によくある片付けの失敗パターンと、リバウンドの原因について解説します。

ADHDのケース

気分がのっている時に始めるものの、途中で飽きて投げ出しやすいというのがよくある失敗パターンです。
ほかには「一気に全部片付けよう」と意気込んでいたのに、途中で疲れてしまい、結局何も進まないパターンもあります。

中途半端な状態で放置してしまうと、始める前よりもかえって散らかった・・・なんてこともありますよね。
片付けている途中で見つけた写真や思い出の品に気を取られて、数時間単位で中断してしまうこともあるでしょう。
気がつくと数時間経過していて、片付けが全く進んでいないという状況もあるあるです。

また、張り切って収納を細分化したのに、細かくしすぎて収納できなくなることもあります。
最初はきれいに分類できても、時間が経つにつれて分類が曖昧になり、結果的に元の状態に戻ってしまうのです。

ASDのケース

家族が片付けを手伝おうとすると、自分のルールが乱されることに強いストレスを感じ、片付け自体を拒否してしまうケースがあります。
善意での支援であっても、本人にとっては負担となってしまうことも・・・

人によっては、ほこりや汚れなど特定の物に感覚過敏があり、片付け作業そのものが苦痛になってしまう場合があります。
特定の素材の物に触ることができず、片付けが進まないという方もいます。

ルーティンを崩して新しいルールを取り入れるのが難しく、新しい片付け習慣を身につけることに抵抗を示すことがあります。
一度身についた生活パターンを変えられないことが、片付けの妨げとなってしまうのです。

実践的な片付け方の工夫

実際にどんなことを工夫すれば、発達障害の方でもうまく片付けが進められるかについて解説します。

ADHDの人ができること

タイマーをかけて時間管理をし、15分や30分といった短い時間で集中して片付け作業を行います。
タイマーが鳴ったら必ず休憩を取るルールにして、疲労を蓄積させないことがポイントです。
この方法は、継続的な片付け習慣を身につけるのにも効果的です。

収納の面では、透明な収納ケースや写真付きのラベルを使って、中身が一目で分かる収納にします。
用途ごとに箱を色分けし、直感的に物を分類できるようにする方法もおすすめです。

分類に迷った物や、後で判断したい物、じっくり眺めたい物を一時的に入れる「あとで見るボックス」を用意しましょう。
これがあれば、悩んで作業が中断するのを防げるため、片付け作業に集中しやすくなります。

ASDの人ができること

一度にすべてを変えようとせず、まずは一つの引き出しや、一つのコーナーから始めます。
慣れてきたら徐々に範囲を広げていくことで、変化への抵抗感を軽減できます。

収納については、「このボックスには○○だけを入れる」「毎日△時に□□を片付ける」など、具体的なルールを決めて紙に書き出します。
このように視覚化されたルールがあることで、混乱したり迷ったりする時間をかなり減らせるでしょう。

感覚過敏の方には、手触りが苦手な素材を避け、本人が快適に使える清掃用具や収納グッズを選びます。
ゴム手袋を着用したり、柄の長い道具を使うことで、不快な感覚を避けながら作業できるようになりますよ。

ADHDとASD共通で効果的な方法

引き出し一つ、棚一段といった小さな単位で片付けを完了させ、達成感を味わえるようにします。
スモールステップで小さな成功体験を重ねたら、片付けに対する自信を育てることができるのです。

また片付け前後の状態を写真で記録することも効果的です!
どれだけキレイになったか分かりやすく達成感を得やすいので、モチベーションの維持につながります。
理想的な状態を写真で残しておくことで、キレイな部屋をキープする効果もあります。

家族や支援者がやるとNGな関わり方

発達障害の方と接する上で、NGな関わり方も覚えておきましょう。
知らず知らずのうちにやっていることがあるかもしれません。

批判的な言葉を投げかける

「なんでこんなに散らかすの」「普通の人はできるのに」のような批判的な言葉は、本人の自尊心を傷つけ、片付けに対する意欲を削いでしまいます。
発達障害の特性を理解せずに責めることは、状況を悪化させる原因となるのでやめましょう!

勝手に片付ける

良かれと思っても、本人の許可なく勝手に物を捨てたり移動させたりすることは避けましょう。
特にASDの方にとって、予告なしの環境変化は大きなストレスとなるため、信頼関係の悪化につながる可能性があります。

高いレベルを要求する

発達障害の特性を持つ方に、一般的な人と同じレベルを要求したり、比べたりすることは絶対にNGです。
例えば、「今日中に片付ける」のような一般的なスケジュールでも、本人にとっては難しいことである可能性があります。

また、「二度と散らかさないで」のような、片付けに対してプレッシャーを与えることを言わないようにしましょう。

家族や支援者ができる効果的な関わり方

次に家族や支援者ができる効果的な関わり方についても解説します。

具体的な声かけをする

「頑張ったね」のような抽象的な声かけは響きにくいため、具体的な成果を認める言葉をかけましょう!
「今日は本が5冊片付けられたね」「この引き出しがきれいになって使いやすそうだね」など頑張ったポイントを言語化して伝えてあげてください。

小さな進歩でも繰り返し称賛することで、継続する意欲を育てることができます。

一緒に作業する

「一緒に片付けをしよう」という姿勢で支援することで、孤独感を軽減し、片付けに対する負担感を和らげることができます。
命令や指示ではなく、一緒に手を動かして作業を共有することが大切です。

例えば、適切な収納グッズを一緒に選んだり、片付けしやすいレイアウトを考えたりしましょう。
本人一人で判断するのが難しい部分をサポートするのがポイントです。

本人のペースや考え方を尊重する

急かしたり、無理強いしたりせず、本人のペースに合わせて支援します。
疲れているときは休憩を取らせて、調子の良いときに積極的にサポートするといった柔軟な対応を心がけてくださいね。
命令はせず本人の考えを尊重してサポートしましょう。

医療機関へ相談する

発達障害の診断や適切な治療について、専門医に相談することもとても重要です。
発達障害は、うつやため込み症、強迫性障害などを併発している可能性もあります。
薬物療法やカウンセリングなど、個人に適した治療法を早期に見つけることも、大切なサポートの一つです。

ヘルパーのサポートを受ける

自治体や民間のヘルパーさんに片付けてもらう方法もあります。
家族のアドバイスは拒否していても、掃除の専門家の意見であれば聞き入れる可能性がありますよ。

自力が無理なら片付け代行業者へ依頼する

発達障害の特性により、どんなに努力しても片付けが難しい場合があります。
無理を続けることで家族関係が悪化したり、本人の精神的負担が増大したりすることも・・・

家族のサポートや、自治体の支援を受けても自力で片付けるのが難しい場合は、片付け代行業者を利用する方法がおすすめです。

片付けるペースよりも散らかるペースが早ければ永遠に片付きません。
新たなルーティンを取り入れるためには、専門業者に依頼して一旦リセットすることも大切です。

片付け代行業者を利用するメリットと注意点

片付け代行業者を利用するメリットと注意点も確認しておきましょう。

メリット

  • 分別をしなくていい(発達障害の人は分別が苦手)
  • 感覚過敏の人でも大丈夫
  • 短時間で片付く
  • ハウスクリーニングも依頼できる
  • 整理収納アドバイザーのアドバイスが受けられる

片付け代行業者は、効率的な片付け方法や収納テクニックについて豊富な経験と専門的な知識を持っています。
発達障害の特性を理解している業者も増えており、個人の特性に合わせた提案をしてもらうことができるでしょう。

また家族では判断が難しい、捨てる物・残す物の分別についても、第三者の視点から適切に判断できます。

そしてプロの技術により、自力では何ヶ月もかかるような作業を、短期間で効率的に完了させられるのも魅力です。
整理収納アドバイザーが在籍している業者を選べば、収納方法や散らかりにくい部屋作りのアドバイスももらえますよ。

注意点

勝手に捨てられるとパニックになることがあるため、家族が勝手に業者に依頼することは避けましょう。
特にASDの方には事前の説明と本人の同意を得ることが重要になります。

作業中は立ち会わせず外へ連れ出すなど、本人のストレスを軽減する配慮が必要です。
片付け作業を直接見ることで不安やパニックを引き起こす可能性があるので、立ち会わせる場合は注意しましょう。

また悪徳業者にぼったくられないよう、複数社から見積もりを取ることが大切です。
作業内容や範囲によって費用が大きく変わるため、サービス内容と費用を比較検討しましょう。

まとめ

片付けが終わらない背景には、ADHDやASDなど発達障害の特性が関係している可能性があります。
発達障害の特性を理解し、個人に合った方法で片付けに取り組むことが重要です。

そのため発達障害の方の片付けは、本人のペースを尊重し無理のない範囲で改善を目指していかなければなりません。
つまり現実問題として、家族や周囲の方の負担がかなり大きくなることは避けられません。
どこまで二人三脚でサポートできるか検討し、自力で対応することが難しければ、片付け代行業者への依頼も視野に入れましょう。

「オカタシ!」なら、不用品の回収や部屋の片付けだけでなく、ハウスクリーニングや整理収納アドバイザーによるアドバイスなどのアフターフォローも万全です。

身近な方がゴミ屋敷でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の執筆者

中島 健太 株式会社ウルタロウ 代表取締役

オカタシ!の代表。ゴミ屋敷や汚部屋の片付け実績は1,000件以上。遺品整理士の資格を持ち、生前整理セミナーの講師経験も豊富です。「片付けで悩む人を救いたい」この強い想いを胸に、心に寄り添いながら一歩踏み出すお手伝いをしています。

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